突然ですが、飲食店のワインは小売価格の何倍程度か、知っていますか?
飲食店では、ワインを最適な状態で保管しておくためのセラーや、最適な料理とのペアリングという付加価値、人件費や光熱費の他に、ワイン特有のリスクであるブショネの交換といった様々なコストを加味した値段が付けられています。
もちろんお店によって異なるのですが、おおよその相場は原価の2倍~2.5倍の価格となっています。
それって、販売店で自分で購入すれば同じワインが2本、もしくは倍の値段のグレードのワインを買うことが出来るってこと!?
その通りです!
ですが、いいワインを買ったとしても、それに見合う料理なんて作れないし、やっぱりお店の雰囲気とかも大事だからしょうがないよね…
今回はそんな悩みを解決してくれる、BYOという裏ワザをご紹介します。
BYOとは?
BYOとはBring Your Own (Wine)の略で、自分の(ワイン)を持ってきて、という意味になります。
これは元々オーストラリアの、アルコール販売の許可を持たない飲食店がサービスの一環で始めたもので、オーストラリア中に広がるユニークな文化です。
日本では、選定や購入、保管にコストがかかるワインを何十種類も揃えておくより、お客さんに持ち込んでもらった方がコスト削減になるという考えから、このシステムを取り入れている場合があります。
このシステムを利用すれば、あなたの飲みたい高級ワインも手頃な価格で、お店の料理と共に最高のペアリングを楽しむことが出来るのです!
ただし、BYOでワインを持ち込む前にはある程度のマナーやルールがあるので、しっかりと理解して利用するようにしましょう。
BYOの楽しみ方
まず、基本的には一般的な750mlまでのワイン(スパークリング含む)を持ち込みOKとしている店が多く、ウイスキーやウォッカなどの蒸留酒を持ち込んでもいいというお店はほとんど見かけません。
また、大衆居酒屋のようなお店ではまず持ち込みはできませんし、ワインバーのようなワインの売上が主となっているお店は持ち込みが出来ないことか多いです。
なのでまずは、そもそも持ち込みがOKなのか、どのようなお酒を持ち込み可能なのかをお店のホームページなどで確認しましょう!
次に、ワインの持ち込みには基本的に持ち込み料というものが発生します。
金額はお店によってまちまちで、だいたい1本当たり1000~2000円程です。
持ち込み料込のコースを設定しているお店もありますので、こちらも確認しておきましょう。
銘柄によって値段は変わらないことが多いので、値段の高い、とっておきのものを持ち込むとお得かもしれませんね!
さて、いよいよワインを持ち込むのですが、いきなりお店にワイン片手に突撃して、持ち込みしたいです!
というのは控えましょう。
なぜなら、ワインを飲むためには人数分のグラスを準備する必要がありますし、そのワインを抜栓およびサービスをする必要があります。
また、そのワインを美味しく提供するための温度管理やデキャンタージュの要不要、どの料理に合わせると良いかといった提案まで行ってくれる場合もあるからです。
ベストなのは、前日(古いヴィンテージなどは澱の関係で1週間前)に預けておくのが良いでしょう。
また、お店からすると持ち込まれたワイン分だけ売上が落ちてしまうので、持ち込んだワインの準備をしている間に食前酒などを頼んでおくとスマートです。
最後に、帰るときにボトルに1杯分ほど残しておいて、「よろしければ後で味見してください」と伝えるのもマナーの1つです。
特にお店のソムリエの方が飲んだことのない稀少なワインや、珍しいワインの場合はとても喜ばれます。
まとめ
高級なワインをお手頃に、お店の最高の料理と共に楽しむことが出来るBYO。
ワインの値段を大きく抑えることができ、最高のマリアージュをお店の良い雰囲気の中味わえるなんて、素晴らしいシステムですよね!
ですが、飲食店からすればワインを持ち込まれると儲けが少ないので嫌がられるのが普通です。
例えば1本1万円のワインの原価率が40%の場合、6000円が利益になりますが、持ち込み料を1本1000円にすると1000円にしかなりませんよね。
ですから、持ち込む側は上記の最低限のマナーやルールを守るようにしましょう!
マナーを守れば、お店側も快く引き受けてくれるので、BYOできるお気に入りのお店を見つけたら、自分で持ち込む、とっておきの高級ワインを早速探してみてはいかがでしょうか?